コラム それぞれの役割を全うして

  鏡の前で大きく口を開けてみると、口唇、舌、前歯、小臼歯、そしてひとまわり大きな大臼歯、さらに唾液が見えました。これらの「口」を構成する組織には、それぞれ大切な役割があります。そこで、口の大事な仕事のひとつである食事を例に挙げてみましょう。
まず、食べようという指令が脳から送られてくると、口唇で食物を捕えます。この時、ひとくちで入りきらないと判断がされれば、すぐにナイフのような形をした前歯で、食べやすい大きさに噛み切ってくれます。しかしプリンやヨーグルトのように、噛まなくても飲み込めると判断されれば、筋肉のかたまりであり、前後左右上下に自由自在に運動できる舌のすべり台に乗って、のどの方へ送られます。では、肉や豆類のように硬くて形がしっかりしたものが入ってくるとどうでしょう、臼状の形をした小臼歯や大臼歯が上下の歯ですりつぶすように噛み砕きます。この時唾液腺が刺激されてつばが出てきます。つばが混じることで、バラバラに噛み砕かれた食物は、飲み込みやすい形にまとまるのです。そして舌のすべり台に乗ってのどに送られます。
このように、口を構成する歯や舌、口唇や唾液には大切な役割があります。それぞれが瞬時に協力し役割を全うすることで、安全に楽しく食べる事ができるのです。


歯科衛生担当より

 

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