武蔵野陽和会病院では、お口の中の衛生管理に力を入れています。
お一人お一人のお口の状態に合ったケアの方法を指導しています。また、一日三回行うことで習慣として身につけることができます。今回は、お口のケアについてお話します。
まず、麻痺で片方が不自由な方は、入れ歯の掃除が不十分になるので、自助歯ブラシ(ブラシに吸盤をつけた物)を用意して使用しています。入れ歯は、カビが広がる口腔カンジタ症になりやすく、毎食後の掃除が常に必要なのです。
また、ご自分で歯磨き粉を付けにくいときのために、洗面所でも滑らない小さいシートを用いています。その上に歯ブラシを置くことにより、歯磨き粉のキャップを外して付けることができ、ご自分でお口の掃除をすることが可能となります。このように早い時点から練習することで、工夫した方法が身に付き、少しでもご自分で出来るということが喜びにつながります。
当院では、そのような喜びを大切にしています。
次に、舌苔は口臭、誤嚥性肺炎の原因ともなるため、舌苔が
付着している方は、予防のためにも毎回のケアが必要です。ま
た、お口の掃除後のうがいも重要です。お口に水を含み唇をしっかり閉じ、頬を動かして吐き出すことは、口腔機能にも有効で、安全にお口から食べられ、効果的なリハビリにもつながるからです。
このように口腔内の衛生管理に力を入れることによって、口腔内の環境が改善され、肺炎予防だけではなく、口腔機能維持にも良好となります。
当院では、ご家族の方にも協力を求め、歯ブラシの様子などを見ていただき、説明・指導を行っています。継続して衛生状態を保つことが重要です。
歯科衛生士 丸山 みどり