電子カルテシステムを導入します

 皆様は、「電子カルテ」とは何かご存じでしょうか。診療の経過を記録する為の用紙(カルテ)を電子的なシステムに置き換えて、電子情報として一括した編集・管理を行い、データベースに記録する仕組みのことで、2001年の12月に厚生労働省がe-Japan構想の一環として策定した「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン」において、電子カルテの普及の推進が宣言されていました。

 当院においては、2006年の5月に前身である西窪病院からこの武蔵野陽和会病院に移転した際、処方・検査・レントゲンの指示や画像・検査結果の参照を電子化したオーダリングシステムの導入は果たしておりましたが、なかなか電子カルテシステムに切り替えるきっかけが掴めない状況でした。この度、長倉院長の指揮の元、5月より準備委員会を立ち上げ、電子カルテシステムへの移行に着手し、準備を進めております。

 電子カルテ化のメリットとして、これまでの紙カルテに換わり物理的な管理が不要となる為、紛失の恐れが少なくなることや、保管の為のスペースの確保が不要となり、厳重に行っていたカルテの管理などが容易になります。また、診療経過をテキストや画像により保存するようになることで、判読がしやすくなることと、任意のキーワードによる検索やデータの抽出が容易となります。更にネットワーク上の端末であればどこでもすぐにカルテの参照・編集が可能となる為、これまでのように紙カルテを運搬したり、到着を待ったりする必要がなくなることから、待ち時間の短縮に寄与すると考えられます。

 11月の中旬からの稼働を目標に準備を進めておりますが、電子カルテ化に伴い、これまで手書きで行っていた作業をすべて端末操作で行うことになる為、稼働当初は一時的に業務効率が低下することが予測されます。

 受診される患者様には以前にも増して待ち時間が長くなったと感じられる場面も出てくる可能性がありますが、操作の習熟により改善していくと考えております。

医事課長代理 種村 満

▶️病院のむさしの陽和会だよりへ戻る

病院ホームページのリニューアルにともない50号より、病院ホームページに移行しました。

35号から49号まではこれまで通り、こちらでご覧いただけます。