ご存知ですか?新しい大腸の検査法

大腸3次元CT検査(CTC)

 

 大腸がんは早期に発見すれば治癒する可能性が非常に高いと言われていますが、全国の検診率は20%程度に低迷しています。早期の癌では症状がほとんどなく、排便異常(便が出にくい、下痢と便秘を繰り返す、下痢便しかでないなど)や腹痛、下血などの自覚症状で発見されるのは進行がんがほとんどです。 大腸検査の多くは初めに便潜血検査を行い、陽性反応が出たら大腸内視鏡検査、注腸 X 線検査などを行います。近年は体への負担や心理的負担の少ない大腸3次元 CT検査(CTC)がスクリーニング検査として普及しつつあります。当院でも2年前よりこの検査を実施しています。 従来の注腸X線検査では、バリウムを大腸に注入し、検査台の上で何度も寝返りを打っていただきながら検査を行い、検査終了後再び下剤を飲んでバリウムの排出をうながす必要がありました。

 大腸3次元CT 検査(CTC)は、解析が可能 な専門ワークステーションを使用して、3次元の大腸像や内視鏡検査を行ったような大腸の画像を作成し観察、診断を行うことができます。大腸内を綺麗にする為に検査前日に下剤を飲んでいただくなど前処置は他の検査と同様ですが、検査時間が短く、苦痛も少なく安全に受けられます。さらに、大腸周辺の臓器も観察できる利点があります。 しかし、平坦な腫瘍や非常に小さな病変の発見は難しく、ポリープの切除や組織をとる事ができない欠点もあります。

 


 検査方法は、肛門から6ミリ程度のカテーテルを3 〜5 センチ挿入し、大腸CT専用の炭酸ガス注入装置を使用する事で、安全にゆっくりと炭酸ガスを注入します。大腸全体にガスが行き渡ったらうつ伏せ、仰向けにてCT撮影を行います。 炭酸ガスは腸管から速やかに吸収されますので、検査後の腹痛や膨張感はほとんどなく、検査 時間は10〜15分位で済みます。 詳しくは、かかりつけ医師にご相談ください。

 

放射線技師 旭 淳也

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