〜シリーズ〜

在宅でのリハビリについて

 

 回復期リハビリテーション病棟を開設し今年で9年目を迎えます。脳卒中や骨折などこれまで多くの方々がリハビリをおこない、ご自宅へ戻られ、 今もなおリハビリに取り組まれている事と思います。

そこで片麻痺の方がご自宅で出来る

リハビリを中心に、何回かに分けて

お話ししたいと思います。


1. 在宅生活で大切なこと

 病院を退院し、ご自宅でどのように過ごし、ど のようなリハビリを行えばよいのか、このままで よいのかと不安に思う方が多くいらっしゃると思 います。ご自宅でリハビリを行うにあたり大切な ことは機能を維持していくことです。 病院を退院するとどうしても運動しない時間が増えてきます。機能を維持する為にはまず体を起こしていることが大切です。朝おきたら着替えをする。顔を洗う。歯磨きを行う。食事を取る際は、 椅子または車椅子に座る。排泄はトイレで行うなど毎日の生活の中で起きている時間を増やしていくことが機能の維持につながり ます。今まで当たり前のように出来ていたことが出来なくなり、難しい方もいらっしゃることかと思います。御家族の協力が必要となる方もいらっしゃると思います。状態に合わせて起きている時間を作っていくことがリハビリの第一歩となります。 次に自分で出来るリハビリをいくつか紹介します。

次に

自分で出来るリハビリを

いくつか紹介します。


2. 自分で出来るリハビリ

  〜手の運動について〜  

今回は手の運動についていくつか紹介します。

・肩の運動

 両手を組んで頭の上まで手をあげる運動です。両手を組むことが難しい方は手首を持って行ってみましょう。痛みのない範囲で動かしましょう。  雑巾掛け。机にタオルを置いてその上に両手を置きます。そこから体を前に倒しながら肩を伸ばしていきます。肩を伸ばしたら体を起こしています。この動作を繰り返し行っていきます。肩だけでなく全身にも効果的な運動です。

・肘の運動

 両手を組んで肘の曲げ伸ばしをおこなう運動です。棒(新聞紙を細長く丸めた物でも代用可能)をもって運動を行っても効果的です。

・手指の運動

 片方の手で麻痺側の指を持って伸ばす運動です。指が曲がってしまい開きにくい方は手首を曲げると指が伸び易くなるので伸びた手を持って机など平らなところに置き伸ばしてみましょう。少なくとも1分くらいは伸ばせると良いです。


3. 注意点・アドバイス

◆ 回数は個々の方々によって違うと思います。まずは10回を目安に行ってみてください。痛みが出たり、疲労感が翌日も強く残るようであれば やり過ぎであると思われる為、痛みのない範囲でおこなっていくことが 大切です。慣れてきたら無理のない範囲で徐々に回数を増やしていきましょう。

寝ておこなっても座っておこなっても大丈夫ですが状態に合わせて行ってみて下さい。

 現状の生活を維持していく為には、毎日の生活を 継続して行っていくことが大切になります。継続していくことはとても大変なことでありますが参考にして みてください。


作業療法士 中沢宏彰

▶️病院のむさしの陽和会だよりへ戻る

病院ホームページのリニューアルにともない50号より、病院ホームページに移行しました。

35号から49号まではこれまで通り、こちらでご覧いただけます。