季節を大事に生活していく中で、お正月ほど縁起を担いで食事をすることはないのではないでしょうか。それぞれの由来はご存知でしょうか?由来を知ってお正月を迎えると、いっそう新たな気持ちで一年を迎えられるかもしれません。


●祝箸

 お正月などのお祝いの席では必ずと言っていいほど使う祝箸ですが、使い方はご存知でしょうか。おせち料理を食べるための祝箸をいれる袋には家族の名前を書き、大晦日に神棚に供えて元旦から使い始め松の内まで自分で清めて(洗って)使い続けるというのが正しい使い方です。

 松の内というのは、いわゆる三が日のことではなく、お正月の松飾りを飾っておく期間のことで、1月1日から1 月15 日までのことを言います。現在では1月7日 までとされることも多いようです。

 祝箸というのは先端も持ち手のほうも両細りになっている形状をしていますが、ちゃんと理由があります。持ち手側は神様が使うために細くなっています。お正月というのは年神様が来るといわれていて、その年神様と一緒におせちやお雑煮を食べるために祝箸を使います。神様とともに食事をすることで、神様のご加護を受けることができます。

 形は末広がりで八寸(約24センチ)という長さであり、縁起を担いだ形をしています。また、丈夫で折れにくいため縁起の良い柳の木を使って作られています。俵箸といわれることがあり、箸の中央部分が膨らんでいます。これは、豊作を願って米俵を模しています。


●おとそ

 おとそは元旦をお祝いするために飲まれるお酒のことです。【御屠蘇】という時には邪気を振り払い、魂を蘇生するという意味が込められています。唐の時代の中国から平安時代に伝わり、江戸時代に一般庶民の間にも広まっていったといわれています。   おとそは元旦の朝に家族で新年のあいさつをしたら、家族が1年健康で過ごせるように祈りながらいただきます。おとその盃には、厄年以外の人が口にすると災いを追い払うといわれているので、最後に厄年の人が飲むと厄払いになります。また、若い人の生気を分けてもらうという意味で年少者から年長者の順で飲みます。最近ではおちょこを使う家庭も多いようです。  

 

                      管理栄養士 細田佳江

▶️病院のむさしの陽和会だよりへ戻る

病院ホームページのリニューアルにともない50号より、病院ホームページに移行しました。

35号から49号まではこれまで通り、こちらでご覧いただけます。