2025年に向けて

理事長 小林敦子

 

 病院の前を歩いていると、時折お近くにお住いの方から声をかけられることがあります。「〇〇先生にずいぶんお世話になりまして・。」と、もうずっと前に退職した医師達の名前が出ることもよくあります。

 長い間、武蔵野陽和会病院を利用してくださっている患者様へ感謝すると同時に、地域の皆様の健康維持のお役に立ち、信頼されてきたという誇らしさも感じます。言葉に出るのは医師の名前ですが、医師の診察には看護師をはじめ、いろいろな部暑の職員が脇を固めているわけですから、病院全体への言葉だと思って受けとめています。

 「2025年問題」としてよくとりあげられる高齢者の増加ですが、75歳以上の高齢者はそれ以下の方々に比べ、医療・介護の必要度が高くなります。団塊世代が75 歳以上となる高齢者人口のピーク時には、入院が必要な患者様の数に対し、ベッドの数が大きく不足します。

 そこで、入院での治療が必要なくなった方には出来るだけ早く退院していただき、ベッドの回転率を上げることにより対応しようというのが国としての考え方です。あくまで単純な例ですが、今まで20日入院していたような方が、10日で退院するようになれば、ベッドの数は2倍に増えたことと同じだというわけです。

 当然、退院時の状態は今までとは異なります。以前は「元気になって退院する」だったのが、これからは「入院の必要がなくなって退院する」ですから、「もう退院?」 と驚き、戸惑われる方も少なくありません。不安に思われる方も多いことと存じます。そのギャップを埋めるのが在宅医療や介護の役割です。

 当法人では在宅の患者様のために、訪問診療・訪問看護ステーションなども手がけております。介護老人保健施設ハウスグリーンパークでは入所・通所でのリハビリを行っています。地域の皆様からの信頼にこれからも応えていける法人であるために、2025年に向けて身を引き締めてまいる所存です。

 

 今後も変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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