食中毒にご用心!

 梅雨が過ぎ、夏の暑い季節となってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 気温が高くなる夏季には細菌性の食中毒が多発します。東京都の平成26年食中毒発生状況のデータでも、7月から10月の期間は食中毒の発生件数が増加しており注意が必要です。

 食中毒を防ぐためには「3つの原則」「6つのポイント」があります。食中毒の1/3 はご家庭で発症されているといわれていますので、この原則とポイントを確認してみましょう。

食中毒予防の3つの原則

食中毒菌を…

つけない

 手には様々な雑菌が付着しています。調理作業の前後や食品を扱う際、鼻をかんだ後などには必ず手を洗いましょう。また肉や魚などを切ったまな板や包丁などの器具から、加熱しないで食べる野菜などへ菌が付着しないように、その都度きれいに洗い、できれば殺菌しましょう。

「増やさない」

 雑菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になりますが、10℃以下では増殖がゆっくりとなり、−15以下では増殖が停止します。食べ物に付着した菌を増やさないためには低温で保存することが重要です。生鮮食品やお惣菜などは、購入後出来るだけ早く冷蔵庫に入れましょう。なお、冷蔵庫に入れても細菌はゆっくりと増殖しますので、冷蔵庫を過信せず早めに食べきることが大事です。

「やっつける」

 ほとんどの細菌(芽胞を形成する菌以外)やウイルス加熱によって死滅しますので、肉や魚はもちろん野菜なども加熱して食べれば安全です。特に肉料理はよく加熱することが大事です。中心部75℃で1分以上加熱することが目安です。

 ふきんやまな板、包丁などの調理器具にも細菌やウイルスが付着します。特に肉や魚、卵などを使った後の調理器具は、洗剤でよく洗ってから熱湯をかけて殺菌しましょう。台所用殺菌剤の使用も効果的です。

食中毒予防の6つのポイント

「買い物」

消費期限を確認する

肉や魚など生鮮食品や冷凍食品は最後に買う

肉や魚などは、汁が他の食品につかないよう

 に分けてビニール袋に入れる

生ものを購入後は寄り道をしないで、すぐに

 帰る

「家庭での保存」

冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったらす

 ぐに冷蔵庫や冷凍庫に保管する

肉や魚はビニール袋や容器に入れ、他の食品

 に肉汁などがかからないようにする

 肉、魚、卵など取り扱う時は、取り扱う前

 と後に必ず手指を洗う

冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は−10℃以下に保つ

「下準備」

調理の前に石鹸で丁寧に手を洗う

野菜などの食対を流水できれいに洗う(カツト

 野菜もよく洗う

生肉や魚、卵を触ったら手を洗う

包丁やまな板は肉用、魚用、野菜用と別々にそ

 ろえて使い分けると安全

冷凍食品の解凍は冷蔵庫や電子レンジを利用、自然解凍は避ける

冷凍食品は使う分だけ解凍し、冷凍や解凍を繰り返さない

 使用後のふきんやタオルは熱湯で煮沸した後しっかり乾燥させる

使用後の調理器具は洗った後、熱湯をかけて殺菌するとよい(特に生

 肉や魚を切った使包丁やまな板)、台所用殺菌剤の使用も効果的

「調理」

調理の前に手を洗う

肉や魚は充分に加熱。中心部を75℃で1分間以上

 の加熱が目安

 

「食事」

食べる前に石鹸で手を洗う

清潔な食器を使う

作った料理は長時間室温に放置しない

「残った食品」

残った食品を扱う前にも手を洗う

清潔な容器に保存する

温め直すときも十分に加熱する

時間が経ち過ぎたものは思い切って捨てる

ちょっとでもあしいと思ったら食べずに捨てる

 暑い時期は湿度も高く、細菌の繁殖力も強くなりますので、食料品や器具類の取り扱いを今一度確認してみましょう。

     ~ 食中毒かなと思ったら〜

 嘔吐や下痢の症状は、原因物質を排除しようという体の防御反応です。自己判断で市販の下痢止めなどの薬をむやみに服用するよりも、まず早めに医師の診察を受けましょう。

 

参考:政府広報オンライン暮らしのお役立ち情報

(http://www.gov-online.go.jp)   

    管理栄養士 川里明子

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