寒さが本格的となる時期になってきましたが、体調を崩されたりはしていませんか?風邪など流行しやすいこの時期にご注意いただきたいものとして「冬の脱水」があります。
人は汗をかかなくても「不感蒸泄」といって皮膚や呼気から1日約 900㎖の水分を蒸発しています。冬場は外気も乾燥しますが、屋内ではエアコンやこたつ等の暖房器具を使うことで室内が乾燥して湿度はさらに下がり、不感蒸泄量が増えるといわれています。また夏に比べて喉の渇きも感じにくいため水分を摂る量が減ったり、トイレが近くなるのが嫌で水分を控えてしまうことも考えられます。
このような状態で過ごしている時にインフルエンザやノロウイルスにかかって発熱や下痢・嘔吐などが起きると、脱水はさらに進み小さなお子様や高齢の方では命にかかわることもあり得ます。 以下のような症状が見られたら脱水のサインです。知らず知らずのうちに脱水状態になっていないか確認してみましょう。
●手先の皮膚がカサカサする。
●口の中が粘る。
●やる気や食欲の低下によるだるさ。
●めまいや立ちくらみ、ふらつとする。
●尿の色が普段より濃くなる、量も少ない。
症状を感じたら、脱水症の自己チェックをしてみましょう。
☆自己チェックその ①
爪を数秒押して離す ⇨ 押した爪の色が戻るのに3秒以上かかれば脱水症の疑いがあります。
☆自己チェックその ②
手の甲の皮膚を爪をたてず、つまんで離す ⇨ つまんだ皮膚が戻るのに3秒以上かかれば脱水症の疑いがあります。
脱水症状が進むと 血液の粘度が高くなり、血管が詰まり脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす要因にもなります。勝脱炎や肺炎になる恐れもあり注意が必要です。
脱水対策
室内の乾燥を防ぎましょう。室内の最適な湿度は50~ 60%程度です。湿度を上げるには、加湿器、換気、洗濯 物の部屋干し(又は湿らせたタオルを室内にかける)、室内で植物を育てる、照明をLEDに変えるといった方法があります。LED照明は発熱量が少ないため室内の乾燥を防ぐ効果が期待できるそうです。
そして欠かせないのが水分摂取です。3食の食事の際に飲むことに加えて、朝起きた時、 午前・午後の食間、入浴後、 就寝前 、夜間トイレに起きた時など意識的に水分摂取の回数を増やし、こまめに飲みましょう。
脱水状態が進行している際は経口補水液の利用をお勧めします。脱水時には体内の水分が排出されると同時にナトリウムやカリウムも排出されるため、補う必要があります。市販の経口補水液はナトリウム、カリウムも含まれているためより体液に近い成分となっています。
持病がある方は電解質や糖分・塩分の補給にも注意が必要な場合がありますので、脱水症状を感じたら医療機関を受診しましょう。
(かくれ脱水 JOURNAL http://kakuredassui. jp/)
管理栄養士 川里明子